パリ南東部ほぼ100余キロ。
閑散とした小邑ヴェロンの朝昼夜。
ゆるやかな起伏を連ね、豊かに四季を彩るブルゴーニュの春夏秋冬。
ヴェロンの邑を散歩し、ヨンヌ川畔の村々へ足を伸ばす。
じっと佇み、心気を澄まして見る。ひたすら見る。
そこに身を置き、そこに在って四囲を感じる。
アトリエに戻り、手指が動き始めるのを待つ。
身も心もキャンバスにのめり込み、線を描き絵の具をのせていく。
・・・・・・やがてふと醒める。
夢中の覚醒か、覚醒の夢中か。
ヴェロンの、ブルゴーニュの、土、風、陽、雨が綯い交ざった大気の香り、匂い。
個の孤心から紡ぎ出される作品世界は、寡黙の中に溢れるポエジィが心のやすらぎ、優しさを呼ぶ。
|