中野中の足裏庵日記  -20-    メチャクチャだから おもしろい

高輪画廊展覧会、30人の自画像展写真


某月某日
「30人の自画像」展も3年目、その巡回のいよいよ大詰めである。毎年メンバーを替えているので、通算ほぼ90人になる。タブローはほぼ6号大、彫刻は高さ30センチほどにしているが、かなり規定破りが多い。 それだけ力が入るのか小さいのがむつかしいのか。全員が描き下ろしの新作である。

某月某日
先輩評論家から「人選がおもしろいネ。これだけメチャクチャが出来るのは、君しかいないよ。」と言われたが、私はもちろん誉め言葉と理解している。観て下さる方からも、どういう基準で 作家を選んでいるんですか、とよく質問される。それほど、枠も線引きもないのである。肩書き、年令、知名度、その他押しなべて全員を括る基準などはない。まったく私の恣意によるもので、従って 「これほどメチャクチャ」はないのである。何しろ当の私が、既成の枠組みや体制ほど嫌っているものはないのだから、致し方ない。 私が描いて欲しいと思う方々に描いていただいている。だから「おもしろい」のだろう。

高輪画廊展覧会、30人の自画像展写真
某月某日
この展覧会のおもしろいのは、もう一つ、自画像だからである。若い時にはほとんど誰もが勉強として描いてはいるが、長じて作品として描いてない。 まして自画像など、注文のあるわけもなく、描く機会もほとんどない。そこへふっと湧いたように「自画像、描いてみませんか」 である。皆さん、虚を衝かれて、「自画像?オモシロそうだ、やってみようか」と承知して下さる。が、どうやらそれから皆さん、大変ご苦労下さっているようで、 その点、私は恐縮するのだが、正直のところ喜んでいる。
自画像というやつは、描けば描くほどに深間にハマリ込んでいくものらしい。そんなご苦労のあげくの作品が、つまらぬはずがないのである。

某月某日
出来うるならば5回展150人の自画像までやってみたい。それだけ集まれば、それこそ個々の自我を超えた、時代としての一つの相貌がみえてくるのではないか、と思っている。

高輪画廊展覧会、30人の自画像展写真
「新世紀の顔・貌・KAO ━ 30人の自画像 ━ 2003」は5月24日(土)まで。
最終巡回:6月11日(水)〜17日(火)名古屋・名鉄本店・本館10FアートギャラリーT


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