【中野中の足裏庵日記】―33―自画像が語るもの
2004/05/18

某月某日
1月の新宿でスタートした第4回目の<新世紀の顔・貌・KAO―30人の自画像―2004>が、金沢、高知、倉敷、平塚、北海道と巡回して銀座・高輪画廊(5月17日〜27日)に戻ってきた。今年もあと名古屋展(名鉄百貨店ギャラリー、6月2日〜8日)を残すのみとなる。


某月某日
私は2001年のスタート(4ヶ所巡回)以来、毎年会場へ足を運んでいる。立場上ということも勿論あるが、その土地、その会場で作品を眺めてみたいからだ。
普段、同一作品を短期間に繰り返し見るということは余程のことがない限り有り得ない。取材を前提にしてさえ2度か、多くて3度見るかどうかだろう。それが、土地、会場をかえて今年は8回見ることになる。
見る状況が違えば、作品の表情も微妙に違ってくる。新たに気が付くことも多々ある。結果、半年に8ヶ所まわって最終的にどうなるか、それがとても楽しみなのだ。


某月某日
毎年メンバー構成を新たにしているのだが、一見アトラムダムな人選に見える中で、私なりに毎年、ほんの少し味付けを変えている。それはそれほど目立つ配慮ではないのだが、観客の反応に微妙にあらわれる。それを各会場で確認できるのも私には興味深いことなのだ。 それは驚くほどで、観客は正直に応えてくる。その点で観客は恐ろしくもあり、有り難いものだ。
思わぬ好評を得ているこの企画展は、来年の第5回でとりあえず区切りにするつもりでいる。すでにノミネート作家諸氏はそれぞれに準備を進めていることだろう。
どんな作品が出揃うのか、どんな観客の反応が出てくるのか、期待と惧れが胸中去来している。


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