三岸好太郎・節子 鷺宮のアトリエ
- 更新2011/10/05
左から 鷺宮の三岸好太郎・節子のアトリエ ・ アトリエ外観 ・ 北海道立三岸好太郎美術館





1934年、好太郎の死後、節子は遺作ともいうべき鷺宮のアトリエを完成させます。それは好太郎の脳裏に描いた抽象絵画の住宅化でした。

アトリエは好太郎の友人の建築家・山脇巌に設計を依頼し、好太郎自らプランを画いた、日本初といえるバウハウス直伝のモダンデザインによる建築です。
建前を過ぎたばかりのアトリエの骨組が骸骨のように覆いかぶさる姿に、節子はアトリエを仕上げ絵を並べることが好太郎の冥福を祈る最善の方法と考えました。


「壁は純白に塗られ、池は水を湛え、三岸の執着したラセン階段は銀白に塗ってとりつけられ、すべて白と黒と銀灰色に限られた色面、太陽は室内の九分通りまで光を侵してさんさんと陽光を浴びる。
池に面したテラスで鋼鉄の椅子や卓を置き、ビーチパラソルを芝生に立て、黒ガラスのファイヤプレスにガラスの卓、ガラスのお茶のセット、すべてが近代の触覚ガラスづくめの夢、夢。」(三岸節子著 花より花らしく)


1967年札幌市中央区北1条西5丁目に開館した北海道立美術館(三岸好太郎記念室)は、1977年に北海道立三岸好太郎美術館と改称して再発足しました。
その後1983年に好太郎のアトリエのイメージを設計の一部に取り入れ現在地に移転した北海道立三岸好太郎美術館 新館にその面影を見ることが出来ます。





鷺宮のアトリエは現在”アトカル”として各種教室などのイベント開催を行っています。
http://www.leia.biz/atelier/index.html アトカルはこちらをご覧下さい。



三岸節子 軽井沢のアトリエ
- 更新2011/10/05
左から 軽井沢の節子の家





1954年3月〜1955年7月、第一次フランス滞在を経て「人間性を追求すること、画架の前に座りつづけること」を 信念に、節子は絵を描くことに専念しなければ良い絵は描けないとの確信を深めます。

1957年頃体調を崩した節子は軽井沢の山荘に移り住み、戦争と子育てから解放されて、30余年の夢であった芸術三昧の隠遁生活を始めます。
孤独と沈黙の生活の中、自分の納得できる絵画に集中し、分厚いマチエールで描かれた「火の山にて飛ぶ鳥」などの作品をこの軽井沢で生み出しました。


「私は外とのつながりをすべて断ちきり、アトリエに閉じこもる生活を自身に課した。季節外の軽井沢では可能である。 孤独の生活が守られた。私の相手は絵画以外ない、周囲のもの言わぬ自然だけである。」(三岸節子著 花より花らしく)




三岸節子・黄太郎 大磯のアトリエ
- 更新2011/10/08
左から 大磯,節子のアトリエ ・ 1986年同敷地内に建てられた節子の新アトリエ ・ 新アトリエで制作中の節子





1964年春、節子は神奈川県大磯の丘陵地代官山の太平洋を見晴らす山荘にアトリエを構えます。
そこを「太陽の家」と呼び、風景画家への第一歩を始めました。


「私は大磯に移り住んで太陽画家となった。風景画への開眼はここで初めて可能となり、静物に、花に、太陽が必ず登場する。太陽こそ生命。エネルギーの源泉。活力素。
樹木が太陽に向って手をさしのべるように、視界いっぱいの蒼穹、両手をさしのべて太陽賛歌に欣喜雀躍する。」
「これから私のなすことは絵画の熟すことである。」(三岸節子著 花より花らしく)







左から 大磯,1990年黄太郎のアトリエ ・ 黄太郎のアトリエ内 ・ 大磯の庭で節子と黄太郎

三岸節子 Cagnesのアトリエ
- 更新2011/10/08
左から カーニュのアトリエ





1968年黄太郎一家と渡仏。「5年間フランスで暮らし、ヨーロッパ風景を自分のものにして、パリで個展を開きたい。」という一大決心のもと、南フランスのカーニュに定住します。
1974年頃までカーニュを拠点に制作活動に励みます。


昨年出版された『三岸節子 仏蘭西日記 カーニュ編 (1968〜1971年)』は昭和43(1968)年12月20日羽田を出発する日から、46(1971)年12月31日までの節子の3年間の日記です。節子のカーニュでの日々の生活の葛藤が赤裸々に綴られ、「本物の風景画家」になりたいという決意と望郷の思い、節子の絵画にかける情熱を伺うことが出来ると思います。




三岸節子 Veronのアトリエ
- 更新2011/10/08
左から ヴェロン節子のアトリエ ・ ヴェロン中庭





節子は帰国のつもりでカーニュの借家を解約します。
しかしパリでの展覧会の成功などから帰国への気持ちが揺らぎ、1974年ブルゴーニュの小さな村ヴェロンで売り家を見つけ衝動的に農家を購入します。



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